飛行実験によるGPS－L5帯域の信号環境評価

摘要

航空無線航法サービス（ARNS）のために割り当てられている960MHzから1215MHzまでの帯域ではランダムなタイミングで送信されるパルス信号により情報交換するシステムが使われている．そのためシステム性能は信号環境に影響される．今後この帯域に導入される新システムは，既存システムに性能劣化を生じさせないような信号設計及びシステム運用が求められ，また新システムも既存装置からランダムパルス信号の干渉を受けた上で，必要とされる性能を満たす必要がある．したがって，システムを導入しようとする帯域において現在の信号環境を正しく把握することが必要とされている．電子航法研究所では，将来の航空無線における新システム導入の際の指標とするために，ARNS帯域内の信号環境を測定する信号環境記録装置を開発した．本論文ではこの信号環境記録装置を使い，実際に飛行実験によって得られたGPS－L5帯域の信号環境について報告する．