マルチモードファイバを用いたコヒーレント光MIMO伝送における接続点でのモード変換の影響

摘要

近年，光ファイバ伝送の大容量化に向けて，マルチモードファイバの高次モードを利用したモード多重技術の検討が盛んになっており，無線通信技術として知られるMIMO（Multiple-Input Multiple-Output）信号処理を利用した光MIMO伝送が報告されている．光MIMO伝送システムにおいては，ディジタル信号処理により信号チャネルを分離することが可能であり，モード間クロストークを補償することができる．しかしながら，MIMO処理によるモード分離に対し伝送路中のモード変換が与える影響について詳細な検討はなされていない．今回，ディジタルコヒーレント受信技術を用いて，コア径50μmを有するグレーチノドインデックス型マルチモードファイバ10kmのコヒーレント光MIMO伝送を行い，伝送路中のコネクタ接続の有無について信号品質へ与える影響を比較した．更に伝送路中の接続点の増加に対する光MIMO伝送の信号品質への影響について解析的に検討を行ったので報告する．