AR過程に基づく高精度な極推定法とNMR構造解析への応用

摘要

現在，分子構造解析手法などの主流となっているFT-NMRによるFID信号の分析にはFFTが用rnいられており，その結果は吸収スペクトルとして表される．NMRスペクトル解析の最初の段階ではその極を得rnることが重要であり，極の周波数は吸収スペクトルから求めることができる．しかし減衰率については別の手動rn操作が必要となる．極を一元的に求めるには，測定対象をARシステムとみなし，そのAR係数を推定すればよrnい．しかし，NMRによるFID信号の極の数はときに数百にも達し，従来のARスペクトル推定では推定結果rnから極を求める段階で生ずる大きな求根誤差を回避できない．そこで本論文では，AR過程に基づく高精度な極rn推定法とNMR構造解析への応用について報告している．提案手法を用いた結果，従来法に比べ二乗誤差の観点rnで優位性があることを示している．また，局所最適解に陥る問題を解決するためにランダム初期値による方法をrn用い，実測FID信号に対して有効であることを示している．