NIST乱数検定を用いた合理的なランダム性の判定法に関する考察

摘要

本論文では，NIST乱数検定(SP．800-22)を利用したときの合理的なランダム性の判定法の一案rnを述べる．その理由は，NISTは188個ある検定項目のすべてがProportionで合格する必要があるのかについrnては示していないので，現状では，最終評価が極めてあいまいに終わるためである．本判定法は，NIST乱数検rn定を複数セット繰り返して得られる経験分布と，その理論上の分布との適合度を見るものである．そして，すべrnての検定項目において両者の適合が良いときに，その乱数生成法のランダム性は良いと判断するので，最終評価rn(全体評価)を明確に与えられる点が特徴である．一方で，NIST乱数検定に採用されている個々の検定法の誤りrnに関する報告が後を絶たない．これと関係して，検定法の全過程を通して含まれる誤差量が正確に見積もられてrnいない(見積りは困難な場合がある)．したがって，両者の適合度が合格ラインを微妙に下回った場合でも，それrnは，検定法に含まれる誤差の影響である可能性を捨て切れない．そこで本判定法においては，明らかに合否が判rn定できる領域の中間にグレーゾーン(検定法の誤差の影響)を設けた．グレーゾーンの場合は，他の手段を併用rnして両者の禿離を調べ，明らかな禿離が見受けられない場合はグレーゾーンで合格させるという考え方を示した．