RTOSのハードウェア化によるソフトウェアベースTCP／IP処理の高速化と低消費電力化

摘要

今日の多くの組込み機器はその機能をソフトウェアにより実装している．製品化彼の機能変更やバグ改修に村して柔軟に対応するためである．一方，ソフトウェアによる各種機能の実装は，アプリケーションに特化したハードウェアによる実装と比較して，消費電力や性能の面で劣る．近年ネットワーク機器が組込みシステムに実装されるようになってきている．しかしTCP／IPプロトコル処理などのネットワ、一ク機能をソフトウェアによって実現するアプローチは，低消費電力と高性能を両立させることが難しい．この問題を解決するために本論文ではRTOSをハードウェア化する手法を提案する．本提案手法はアプリケーション（TCP／IPプロトコル処理）をソフトウェアとして実装したまま性能の向上と低消費電力を実現する．実験の結果，TCP／IPの場合従来の10倍以上の性能を達成し，消費電力を従来の7分の1に低減できることを確認した．