同期・引き込み現象と変分解析: 非線形理論のひとつの飯の食い処

摘要

集団同期・引き込み現象に閲し，最近10年で生体・実験系からの検証例が急増している．また基礎となる理論も数学的に一層深化してきた．ところが，この同期・引き込みを制御し，使いこなすための手法・理論は，現状未開拓な部分が多い．本稿では，最近のこの方向でのひとつの新しい取り組みを紹介する．すなわち，変分解析というエネルギー論的視点を同期・引き込み現象に導入することにより，非線形理論の「ひとつのメシの食い処」が現れることを解説する．