テストエ数配分方法の評価手法と組込みソフトの派生開発プロジェクトへの適用

摘要

近年のソフトウェア開発では，開発規模が増加する一方，開発工数が限られるため，限られたテスト工数での品質確保が課題となる．テストにおける品質確保の一側面は不具合を多く発見することであり，不具合の多い傾向のある部分にテスト工数を多く配分することが，限られたテスト工数での品質確保につながると考えられる.より多く不具合を摘出できるテスト工数配分方法を選択するには，様々な配分方法の評価が必要となる．よって，本論文では，実際のプロジェクトデータから評価モデルを作成することで，様々なテスト工数の配分方法を評価可能な手法を提案する.既存機種のコードを改変する派生開発を行っている実際の組込みソフト開発プロジェクトに提案手法を適用し，改変母体の過去の不具合修正回数に基づいてテスト工数配分を行うと摘出不具合数を増加できることを示した.%This paper proposes a method for estimating test effort allocations to enhance the reliability of software systems. Our method calculates the defect removal efficiency of different test allocations by using the estimation model based on real project data. Thus, we can compare the traditional test allocation with other ones. We applied our method to the derivative development project of embedded software. The result shows that the test allocation based on the number of past defects in the base code enables us to find defects most effectively.