セキュリティネットワークを支える物理乱数生成技術［Ⅰ］: 物理乱数と情報セキュリティ

摘要

情報セキュリティ技術の根幹には暗号技術があり，暗号技術の安全性は良質の乱数性を利用している．例えば暗号化関数において，鍵を変えると全く予想のつかない変化をするため，同じ平文〟に対して鍵K_1とK_2で生成した暗号文C_1及びC_2がどちらの鍵を使ったかを区別できなくしたり，C_1を知っていてもC_2を予測できなくする．または，生成された暗号文が雑音（乱数）と区別できないため，暗号文そのものの盗聴を困難にすることや，平文の情報を暗号文へ漏らさなくすることが挙げられる．このような性質を達成するために様々な乱数生成技術を応用する．