画像特徴量[Ⅳ]: 勾配に着目した画像特徴量と顔・人体検出

摘要

物体検出はコンピュータビジョンの分野で重要なトピックの一つとして古くから研究が行われている．その代表的な対象は顔であり，近年では顔検出がディジタルカメラや携帯電話などに搭載され，物体検出の実用化が進んでいる．一般的に，検出対象の物体は，物体の向きや照明変化などにより見えが変化する．例えば顔の場合，顔の向きや照明変化だけでなく，表情変化や年齢，性別，個人などによる変化も生じる．また，人体の場合，これらの変化に加えて，体の姿勢変化や服装による変化も考慮する必要がある．これらに対応するためには，輝度ではなくエッジに着目した特徴量が有効であ る．エッジに着目した特徴量は，局所特徴量と複数の領域間での共起特徴量の二つに大きく分けることができる．本稿では，顔及び人体を対象とした場合に有効なこれらのエッジに着目した特徴量について紹介する．