広域電力系統における低次線形モデルを用いた適応型PSSのパラメータのオンライン設計法

摘要

西日本の60Hz系統では，数秒周期の弱制動モードが存在し，ときに大きな潮流動揺として観測されている。発電機に設置する励磁制御装置であるPSS（Power System Stabilizer）は，系統の状態に応じて適切にパラメータを設定することで，定態安定度の向上を可能とする。電力自由化の進展により，系統の状態が予測しづらくなることから，定態安定度の悪化も懸念されており，PSSのゲインや時定数などのパラメータを，観測データから自動的に計算して調整する手法が望まれている。オンラインでのPSSのパラメータ調整は，調整中の不安定化を避けるために，パラメータの増減と安定性の変化を把握した上で行うべきである。