動的輪郭モデルを用いた波輪郭線の計測と越波の判定

摘要

台風や低気圧が近づくと，高波が防波堤を越える“越波”が発生することがある。越波は海水だけでなく石や砂などを打ち上げるため，通行中の人や車の安全を妨げる恐れがあり，被害も毎年報告されている。本論文では，沿岸監視カメラの映像からこの“越波”の発生や“越波に至る前の高波（以下，単に高波と呼ぶ）”を自動的に検出するためのアルゴリズムについて述べる。提案手法は，将来の越波規模把握や越波発生予測への応用展開を想定し，高波や越波の波高が計測できるアルゴリズムとなっている。なお，こうした高波・越波の自動検出は，特に沿岸道路利用者への情報提供や通行規制のためのトリガとして期待されており，本論文でも同様の用途を想定している。