「療養病床再編」は何が問題なのか

摘要

前号の最後で、厚生労働省はなぜ老人医療をマイナスへと”後退“させるのか、と記した。療養病床の段階的削減という方向がどのような事態をもたらすのか筆者の危惧は大きく、そのことによる苦言だったわけだが、今号以降、少しこのテーマを続けさせていただきたいと思う。医療費の抑制という至上命題があるにせよ、なぜ抜き打ちのような形で、突然こうした方針を打ち出したのか。厚労省は「療養病床の再編」という言葉を使っているが、そもそも再編しなければならないどんな必然性と意図があったのか。受け皿となる介護施設の条件を整えつつ、この施策を進めようとしているのか。老人医療が後退するという筆者の危惧は、そもそも杞憂にすぎないのか、などなど、知りたいことは次々と出てくる。