2014年度健保組合財政は一見改善も 半数以上の組合が赤字を計上高齢化で厳しい財政状況続く

摘要

健保連は10月2日、健保組合の2014年度決算見込の概要を公表した。それによると、2014年度の経常収支は636億円となり、高齢者医療制度創設前の2007年度以来、7年ぶりの黒字決算になることがわかった。ただ、収支が好転したからとはいえ安閑としてはいられない。全健保組合の53%にあたる741組合が赤字を計上。387組合が保険料率を引き上げ、うち153組合は2年連続で料率引き上げを余儀なくされた。景気回復で一服感はあったものの、団塊の世代が後期高齢者の仲間入りする2025年に向け、健保組合財政は厳しさを増す見通しだ。こうしたなか、第3次安倍改造内閣が10月7日、発足した。安倍首相は、新たな看板政策に位置づける「1億総活躍社会」の実現に向け、年内に対策をまとめる考えを明らかにした。しかし、「新3本の矢」として掲げた目標値は、どれもハードルが高く、実現への道筋は見えていないのが現状だ。