骨太の方針2015と次期医療保険·医療制度改革の論点

摘要

経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2015の策定に関し、被用者保険関係5団体は6月5日、医療保険制度を持続可能なものとするために医療.介護費の適正化.効率化がとくに必要であるとの意見を提出した。6月30日に閣議決定された骨太の方針2015においては、今後3年間の国の歳出增加額は1.6兆円を目安とし、プライマリーバランス(基礎的財政収支)については、2018年度の赤字は対GDP比マイナス1%、2020年度の財政健全化目標の確実な達成を目指すとしている。財政健全化のためには、国の歳出に占める割合が高く経済成長率を上回る増加を続ける医療費と介護サービス費の抑制.適正化が必要であり、また、個人や企業の保険料負担の増加抑制は経済成長にも寄与する。そうした観点から、後発医薬品利用率向上などの保険者努力に応じた評価や健康づくりをおこなう個人に対するヘルスケアポイントなどにより保険者·加入者双方の合理的活動を促す仕組みの拡充強化をおこなうこととしている。