港と船

摘要

明治41年（1908)の運航開始以来、80年もの間活躍した歴代の青函連絡船は55隻とされています。そのなかでも、昭和39年（1964)8月12日に就航したハ甲田丸は、就航期間が23年7か月と最も長く活躍した貴重な保存船です。1億6千万人もの乗客と2億5千万トンの貨物を運び、航行距離は8千万キロメートル、地球2,019周分にも及ぶといいます。青函連絡船「ハ甲田丸」は現在、青森市港湾文化交流施設「青函連絡船メモリアルシップハ甲田丸」として、青森市の青森港に係留展示されています。現在、国内に青函連絡船はハ甲田丸のほかに摩周丸（北海道函館市）が保存されていますが、かっての姿により近いのはハ甲田丸といわれています。ハ甲田丸の車両甲板は、世界的にも珍しい鉄道車両を輸送するためのスペースで、現在は郵便車両など9両の本物の車両を展示しています。貨物車両を搭載するこの車両甲板は、青函連絡船最大の魅カともいわれています。そのほか、操舵室、船長室、事務長室、寝台室、エンジンルームは、就航当時の状態で保存されています。