港湾関連データ連携基盤の構築に向けた取り組み〜サイバーポー卜の実現に向けて〜

摘要

我が国が目指すべき未来社会の姿として、Society5.0が提唱されている~(1))。Society5.0は、サイバー空間（仮想空間）とフィジカル空間（現実空間）の融合とIoT (Internet of Things)の活用により、様々な知識や情報の共有や、新たな価値の創出を図るものである。将来の港湾のあるべき姿としても、平成30年7月に国土交通省港湾局としてとりまとめた「港湾の中長期政策(PORT2030)Jにおいて、「あらゆるヒト・モノ・情報をつなぎ、新たな価値を生み出す『フィジ力ル&サイバープラットフォーム』への転換を目指す」こととしている。同中長期政策では、AI、IoT、自働化技術などを組み合わせ、世界最高水準の生産性を有する「AIターミナル」の実現を目指すとともに、「港湾関連データ連携基盤」を構築することにより、港湾情報や貿易手続情報の電子化を目指すことを目標としてを掲げている。本稿では、このうち、「港湾関連データ連携基盤」（概念図を図1に示す）の構築に向けた取り組み状況について紹介する。