秋田県道317号西目屋二ツ井線の被災状況と復旧状況

摘要

県道317号西目屋二ツ井線は青森•秋田を結ぶ唯一の県道で，青森県中津軽郡西目屋村と秋田県能代巿を結んでいる。青森県南西部から秋田県北部にまたがる世界遺産白神山地に至る主要アクセス道路であり，観光道路としても重要な役割を果たしている。青森県境から秋田県側の県道周辺約20kmの区間は，一級河川米代川支流の諸河川•沢により深く刻まれて，起伏量の大きな壮年山地を呈する。県道は県境付近に源を発する白石沢，途中で黒石沢と合流して藤琴川となる両河川に沿って通過している。したがって，道路の山側•谷側とも急斜面を呈する区間が多く，沢地形～集水地形が多く存在する。集中豪雨による土砂災害は県境から2.5km～15.5km間で集中して発生しており，斜面崩壊27ヵ所，土石流20ヵ所，地すベり1ヵ所，路肩決壊8ヵ所の56ヵ所に及ぶ。