千葉外かhの思い出

摘要

東京外郭環状道路（東京外かh）は昭和41年に都市計画決定され，東京区部を半径約15kmで取り巻く延長約85 kmの4車線の自動車専用道路と和光市•巿川巿間の延長約44kmの4車線の一般国道298号で構成されている（図-1，平成22年時点）。しかし，建設公害が顕在化した時期で，"自動車から発生する排気ガス，騒音•振動を市街地に撒き散らす大規模道路"として全線で激しい反対運動が巻き起こった。 そして，昭和45年には事業が凍結された。反対運動が最も強かったのは松戸から市川に至る約10kmの沿道で，約 12万人の反対署名が建設省に提出されていた。この区間を担当するのが建設省首都国道工事事務所であった。特に巿川地区は巿•市議会•外環反対連合が3者協定を結hで反対していた。私は昭和62年6月に事務所長として赴任し，計画案の見直しに取り組むことにした。17年振りの再開で，周りからは反対運動が沈静化しているのに"焼ぼつくいに火を付けるのか"と非難もされた。反対の主たる理由は生活環境の悪化，約2,000戸の移転家屋の発生，広幅員道路による地域分断であった。