高強度コンクリート(F_c≧60N/mm~2)を用いた場所打ち杭のコンクリート強度の調査

摘要

設計基準強度60N/mm~2以上の高強度コンクリートを用いて原位置に構築された場所打ち杭のコンクリート強度の調査から，以下の知見を得た。①コアの圧縮強度の平均値は，いずれの杭においても設計基準強度より大きく，コアの圧縮強度と設計基準強度の強度比は平均値1.31，標準偏差0.17であった。②コアの圧縮強度に基づいて推定したS値は，調査杭5体のうち4体で地上部材に対して設定された値よりも小さく，高強度コンクリートを用いた場所打ち杭のS値は地上部材に対して設定された値と同程度であると考えられる。超高層建物を支持する高支持力杭として，高強度コンクリートを用いた場所打ち杭のニーズはさらに高まると考えられる。今後も杭体のコンクリートコアの強度データを蓄積して，品質の向上に取り組む必要があると考えられる。場所打ち杭の設計•施工技術の向上に，本報告が参考となれば幸いである。