半解アルミニウム譚'アルミニウム'の国産化：その2アルミニウム同産化の成就

摘要

アルミニウムの国産化は3段階で成し遂げられた。第1段は前回に述べた竹島 安太郎による試みである。それは文献資料が不十分、周辺の関連技術の未成熟、 原料事情や世界経済の急変によって残念ながら実現しなかった。第2段では竹島 の成果を基に国の支援も得て藤森龍麿によって企業化可能なレベルの技術が確立 された。しかし輸入材と価格的に競合しえないことからやはり実現しなかった。 そして最後の第3段では第2段で得た技術を基に森疆昶が国の将来を考え、一身 にリスクを負って、企業化を英断することによって国産化が達成された。本稿で は竹島以降森の国産化に至る経緯（第2及び3段の経緯）を述べる。