火災ニュース

摘要

2月16日午前9時15分頃，埼玉県三芳町上富の事務用品通販会社アスクルの物流倉庫で段ボールが燃えていると，従業員から通報があった。県警東入間署や消防によると，鉄骨3階建ての倉庫内で延焼し，男性従業員2人が煙を吸うなどして病院に搬送されたが命に別条はないという。この倉庫は，延べ床面積はおよそ72,000m~2あり，コピー用紙や文房具など，およそ7万種類の商品を保管していたという。発災した倉庫は，2階と3階に窓がほとんどないことから，重機で壁面に穴を開けて内部への放水を行い，18日の夜には，いったん2階部分の火を消し止めることができた。しかし，2月19日の午前0時過ぎ，3階の南東部分で，保管されていたスプレー缶に引火したと見られる2回の爆発があり，再び火が強まった。このため，三芳町は2月19日午前2時40分避難勧告を出した。消火活動が長期化している理由について，建物に窓がほとんどなく，外からの放水が難しいこと，屋上にはソーラーパネルがあり，感電のおそれがあり，直接放水することができないことや，建物の中の温度が一時，500℃に達し，熱で壁がゆがむなど倒壊のおそれもあり，慎重に活動する必要があったとしている。2月21日夜からは，隊員の安全を確保できると判断した2階部分に限って，内部での消火活動を進め，22日午前9時半に火はほぼ消し止められた。このため三芳町は，午前11時に出していた避難勧告を解除した。その後も消火活動が続けられたが，2月24日3階の2か所で再び炎が上がった。最終的な鎮火は2月28日午後5時となり，発生から12日にわたり火災が続いた。