EBSD法とIn-Situ加熱ステージの組合せによる鉄鋼材料組織変化の直接観察

摘要

EBSD用試料加熱ステ一ジは、2003年頃から開発を進め現在では1050°C程度までならば特に問題なく加熱しEBSD観察ができるようになった。本稿で示したデータは主として2013-2016年頃に取得したものである。最新の高速型の検出器を用いれば結晶粒成長や変態の状況をもつと詳細に観察できるものと期待される。また、表面酸化や合金元素の蒸発に関しては試料表面への高純度不活性ガス噴射による雰囲気制御やSEM試料室全体を高純度不活性ガスで置換しながら10~(-1)～10~(-2)Pa程度の真空で観察できるようにすれば、かなりの改善が見込まれると考えられる。多くの材料は熱処理や温間加工や熱間加工の工程を経て製造されている。今後もより現実の処理に近い状態での観察ができるように、このIn-Situ観察の手法を進歩させていきたい。