円周ガイド波による配管減肉検出技術研究会の成果

摘要

本報告では、ガイド波についての一般的な紹介から、JIS規格や非破壊検査協会規格、またガイド波の簡単な波動としての特徴を述べた。さらに本鉄鋼協会における3期に渡る研究会Ⅱとしての活動のあゆみを述べさせていただいた。本研究会Ⅱにおける活動は、大口径である副生ガス配管の円周方向に周回伝搬する円周ガイド波を用いることで、効率的に副生ガス配管の検査を行える方法の構築にある。本報告の最後には、実機適用した例と、合理的な研究開発のためのFEMシミュレーシヨン結果を含めた検証結果を示した。全てのデータの紹介はできないが、円周ガイド波による検出が十分に可能であることを示すことができた。また、今回は詳しく示すことができなかったが、配管の広い範囲に減肉が進むとガイド波の減衰が大きくなることが実験で確認できている。直接的に欠陥をパルスエコーで検出することが困難になる一方で、劣化の進hだ配管は減衰を確認することで判断できる。減衰の確認もパルスエコー法による減肉の評価も同じ装置で実施できることから両者を賢明に利用して減肉状態を評価することが必要である。現在は、研究会Ⅱの第3期を実施中であり、そこでは実機適用のためのプロトタイプ装置の設計と製作を行い、出来上がった装置を実機に適用して、その有効性を検証する予定である。