下水道事業における広域化•共同化の進展と今後の動向

摘要

下水道、集落排水、浄化槽をあわせた汚水処理人口普及率は、2016年度末に初めて9割に達し、2017年度末には下水道を利用できる人口が初めて1億人に達しました。これまでに整備した下水道施設は、処理場約2,200ヵ所、下水道管約47万kmにも及びます。このうち、処理場では既に約8割が標準的な耐用年数を経過しています。また、下水道管では、標準的な耐用年数を経過した管は約3 %だつたものが、20年後には約28 %まで増加することとなり、施設の老朽化は今後も確実に進むことになります。一方で、日本の人口は、2010年をピークに減少に転じており、国立社会保障• 人口問題研究所によれば、2060年には約8,700万人まで減少すると予測されています。更には、高齢化により、生産年齢人口は更に減少していくことが見込まれており、下水道事業においては使用料収入の減少による経営環境の悪化や職員の減少による執行体制の脆弱化が懸念されています。