産廃担当者の知識実態: 産業廃棄物適正管理能力検定のデータを読む

摘要

産業廃棄物の管理において、正しい法的知識を有した人材を育成することは処理業者のみならず排出事業者にとっても急務である。本稿では、産廃担当者の知識実態への関心から、「産業廃棄物適正管理能力検定」の開催データ•解答データを紐解き、以下の傾向を明らかにした。1.産廃知識について、処理業者のほうが排出事業者より優越しているとは必ずしもいえない。2.「法律で禁止されていないこと」の判断にはより高い力量を要する。3.「法改正」の正しい理解の普及にはタイムラグがある。データは同検定の受験者に限定されており、これらの傾向を軽率に業界全体に一般化することはできないものの、現時点での産廃担当者の力量の実態の一側面を映し出している。そこで、重要な調査結果を解説し、本稿が企業の廃棄物管理や人材育成の参考になればと考える。