On the Taxonomy of Cylindromicrus gracilis Sharp in Japan (Coleoptera: Bothrideridae)

摘要

日本のセスジツツホソカタムシの分類学的検討.―― セスジツツホソカタムシrnCylindromicrus gracilis Sharp,1885 は南中国，シッキムおよび北オーストラリアに生息するとrnされ，日本でも九州，屋久島および奄美大島で分布が確認され，原色日本甲虫図鑑（保育社）に図rn説されている.また，最近は生川・田中（2004）によって沖縄島からも写真とともに報告されてrnいる.しかし，これらの文献に掲載された写真をSHARP（1885）の原記載の図と比較してみたかぎrnり，一見して同種とは思われないほど形態が異なっている・そのような疑問を抱いていた折から，rnC.gracilis の基準産地の熊本県下で，SHARP の記載したものと同一と思われる細長い個体が平野rn幸彦氏によって採集され，これが本物のC.gracilis であると断定した．一方，わが国で従来“C.gracilis "とされてきたものは新種であることが判明し，ここに両種を改めて記載した．新種セスrnジツツホソカタムシCylindromicrus hiranoi sp. nov. は，そのずんぐりした体形，前胸背板およびrn鞘麹の明瞭な彫刻，前付節のⅠ節がⅡ・Ⅲ節よりも長いことなどにより，ヒゴホソカタムシ（新rn称）C.gracilis SHAPR とは容易に区別できる．%Cylindromicrus gracilis is recorded for a second time long after the original description by Sharp (1885). The specimens formerly recorded from Japan as "Cylindromicrus gracilis" are found to be a different species new to science. Both the species are described, illustrated and their distinctive morphology is discussed.