18世紀オランダの人口統計: ハレーからケルセボームへ

摘要

オランダでは17世紀以降，一時払い終身年金の普及とその記録からの生命表をrn基に確率論と政治算術を統合する人口統計が発展した。この伝統は18世紀にストrnルイクとケルセボームが担った。州や国の財務官僚であったケルセボームは，終身rn年金記録から作成した生命表を静止人口モデルに組み替え，年間出生数に一定の平rn均寿命35を掛けると人口総数が得られるとし，さらにその生命表から終身年金現rn在価額を推計した。またハレー生命表のx歳生存者数は満x-1歳以上x歳未満のそrnれだとした。しかし彼の人口推計の方法は静止人口モデルの適軌こおいて硬直的でrnある。また彼の生命表は作成法が示されず，男女別でないため終身年金現在価額推rn計も男女別ではない。その推計でもチャンスの価格概念の意識的適用が見られない。rnこの国での確率論と政治算術の統合はストルイクが継承し，ケルセボームは有用なrn数量的資料を為政者に提供するという意味での政治算術の流れにあった。