自動車用熱可塑性CFRP部材の過熱水蒸気を用いた急速加熱による革新的製造工程

摘要

自動車産業におけるCO_2削減の取り組みは、地球環境への影響の大きさから非常に重要である。その中で、自動車の製造工程でのCO_2排出量の低減は、世界的な生産台数から見てもその意義は大きい。CFRP (炭素繊維強化樹脂）は、車体を軽量化できるため、走行時のCO_2削減に大きく貢献できるものの、その部品製造工程における加熱において、大きなエネルギーを必要とする。このため、CFRP部品製造工程のエネルギー消費量とCO_2排出量の大幅な削減を目的とし、400℃程度の高温流体である過熱水蒸気を用いて、CFRP部材を均一に短時間で加熱できる世界初の革新的な製造技術を開発した。本開発技術は、その優れた省エネ性と生産性が高く評価され、省エネ大賞経済産業大臣賞とトヨタ自動車の技術開発賞を受賞した。