無線レーダ方式による新しい送電線故障点標定装置の開発と導入: パルスレーダ方式送電線故障点標定装置(C型FL)の後継装置の開発

摘要

架空送電線への落雷などによる故障点を速やかに発見するため，電力需給上重要な超高圧架空送電線には送電線故障点標定装置(Fault Locator,以下，FL)が設置されている。架空送電線の故障点標定にはいくつかの方式が実用化されているが,北海道•本州間電力連系設備の直流架空線路には，帰線(帰路線)の故障点標定が唯一可能な「パルスレーダ方式送電線故障点標定装置(通称C型FL,以下.パルスレーダFL)」が運用されている。今回，パルスレーダFLの製造終了に伴い同装置の後継装置として，最新の無線レーダ技術の一つである「FMCW(Frequency Modulated Continuous Wave：周波数変調連続波)レーダ方式」によるFL(以下，FMCWレーダFL)を開発し，北海道•本州間電力連系設備の直流架空線部へ導人した。