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摘要

本研究では，回転環境下での運動エネルギーを電気エネルギーに変換でき，化学電池に代わるタイヤ空気圧監視システム(TPMS)の電源として利用できるエネルギーハーべスタ装置の開発を目指している。本研究では，車輪の回転速度に応じて共振周波数を自己調整して共振モードを維持し，より大きな出力を得ることができるようにした台形カンチレバーを用いたエネルギーハーベスタを開発した。台形カンチレバーの重み付けされた長さは，回転する車輪の遠心力によって調整され，カンチレバー根元の面積慣性モーメントを変化させます。動力方程式はラグランジュ法を用いて導出した。さらに，加重されたカンチレバーは，不意の振動やトルクを吸収するための遠心振り子振動吸収体(CPVA)としても考えられる。そこで本研究では，外乱トルクが加わったときの車輪の動的挙動を解析した。実験の結果，車輪の回転数が240～1200rpmの範囲で，試作品の出力は約65～110μWであることが分かった。このことから，本装置がTPMSのバッテリーを置き換えることが可能であることが示された。また，試作機の有効振動吸収帯域は約130Hzであり，60～110Hzの外乱振動下では42%以上の振動吸収率が観測された。