ジードルンク建設をめぐる国際的ネットワークの存在:International Housing Association に関する研究報告

摘要

第一次世界大戦後のヴァイマル共和政下のドイツでは、きびしい住宅難や、それにともなうスラムの形成が社会的な問題となっていた。これらの問題は大戦以前より西欧諸国において、人口増加あるいは都市部への労働力の集中によって徐々に進行していたこともあり、ドイツ国内のみならず国際的な関心事となっていた1。そうした背景のもと、ドイツあるいはオーストリアにおいてジードルンク(Siedlung)の建設が進められていった。そのさきがけともなったのが、1927年にドイツ工作連盟が主催しシュトゥットガルト郊外で開催された「ヴァイセンホーフ・ジードルング」（Weißenhofsiedlung）でありこれが、ひろく世界、日本にもメディアを通して共有されていた。