自立高齢者通所施設の施設計画に関する研究: 東京都における通所型サービスA の施設運営・整備の現状分析

摘要

国は高齢者が要介護状態になることを遅らせ、介護が必要とならない所謂「元気高齢者」の増加を目指している。それに伴い、2015 年にそれまでの一般介護予防事業と生活支援サービスの一部の介護予防給付事業を合わせた介護予防・日常生活支援総合事業を導入した。総合事業の導入と共に従来の介護予防通所介護と介護予防訪問介護に加えて「通所型サービスA」が新設された。従来の介護予防通所介護と多様なサービスと言われる通所型サービスは、介護予防・日常生活支援総合事業の導入以降、徐々に増加しており、2017 年には従来相当が11,157 施設、多様なサービスは3,244 施設が整備されている（図1）。その内、多様なサービスは通所型サービスA・B・C の3 種類で整備されており、通所型サービスAが施設数の約7 割を占め2017 年には2,139 施設整備されている（図2）。介護予防通所介護と通所型サービスA の概要を表1 に示す。介護予防通所介護は都道府県の指定を受け、予防給付に該当する要支援者にサービスを提供しており、通所型サービスA は市区町村の指定を受け、要支援者と総合事業の事業対象者にサービスを提供している。