白保集落における地区別の居住動向と景観特性: 2018 年石垣島白保集落調査報告

摘要

伝統的景観が維持されている石垣島白保集落において、明治期から現在に至るまでの居住域の拡大に伴い、集落景観は変容し場所によってそれぞれ異なることが明らかになった。旧居住区域内では伝統的景観要素が多く見られ、特にカンヌミチ、ンマガミチ沿いでその傾向が強い。新たに開発された地区では伝統的景観が維持される傾向が低く、移住者の存在によりそれぞれ新たな集落景観が作り出されている。国道沿いには利便性を求めた移住者、分家が居住し、北西地区には集合住宅が多く分布する。また、海沿いには海に近い暮らしを求めた移住者が居住する。以上より集落内での地形条件の違い等が居住動向として現れ、最終的に集落景観として目に見える形で現れてきていることが明らかになった。