動線的・視覚的接続による機能的領域の構成図書館を含む公共複合施設における機能的領域の構成と行動の複合形態　その１

摘要

1995 年に「市町村の合併の特例等に関する法律」が大幅に改正され市町村合併が進み、ランニングコストの削減やコンパクトシティの形成の試みから公共複合施設のあり方が再検討されてきている。そのような中、図書館は誰でも無料で利用でき、幅広い年齢層が訪れるため、施設の複合化によるニーズの変化は大きい。そのため、多様なニーズに対応するべく単に機能を複合させるだけでなく、機能同士を空間的に複合させる試みがなされてきている。例えば、2016 年竣工の太田市美術館・図書館では、「太田市美術館・図書館条例」を制定し、運営を一緒に行うだけでなく、美術館や図書館からお互いが見えるようにし、人の流れを誘発することを目的に、美術館と図書館が空間を共有し、機能が相互に密接に関係づけられている。