床の性能に影響するコンクリートスラブおよび仕上材料の仕様と施工に関する基礎的検討: 高分子系塗り床および張り床の場合

摘要

筆者らを含めた日本建築学会内外装工事運営員会傘下の床工事WG では，2008 年に「床の性能評価方法の概要と推奨値(案)」を作成し，それを発展させて2015 年に「床性能評価指針」（当時の委員会名称は床性能評価指針検討小委員会）を取りまとめ，材料，構法に関わらず，出来上がった床を評価する方法と性能の推奨値を提示した。これらの性能には適切な材料，構法の選択に加え，その施工が大きく影響することは明白である。しかし一方では，材料，構法，施工が性能にどのように影響しているか，については必ずしも明らかではない。床工事WGではその点を明らかにすることを目的として，目標とする床の性能を達成するために，材料の種類や寸法などの仕様が影響するのか，施工の良否が影響するのか，あるいはその両方が影響するのかなどについての検討に取りかかっている。本稿では，その成果の一部として，土間スラブを含めたコンクリートスラブ上に高分子系塗り床材および張り床材を施工する構法を対象とした検討結果について報告する。