旧市街地への居住誘導を目指して多主体が連携した、敷地整序型による居住スタイルの実践的提案富山県高岡市を対象に: 人口減少期の地方都市における歴史的市街地再生の実践的研究 その７

摘要

「高岡まちなか暮らし塾」では、住民の声を分析することによって住まいに関する多くのニーズが明らかになった。本勉強会ではその中で新築や建て替えのニーズに着目し、モデル敷地を設定して豊かな暮らしを描くための提案を行った。その一方で、上記の提案に盛り込むことができない、表２にあるような新築や建て替えが必要ない場合のニーズへの対応という課題も残されている。これを踏まえ、幅広い居住ニーズに対応して、減築や増築に対応した検討会の開催や、低コストでの改修の実践事例の蓄積などが、今後の展開として必要となる。また、本勉強会では不動産事業者や建築家、行政、大学といった多様な主体が連携して全体のコーディネートを行った。今後の展開として、図２に示したような敷地整序によるまちなか暮らしを実現し広げていくためには、事業化も含めた、プロセス全体を見渡せる専門家の育成を、実践の展開を通じて進めていく必要がある。