摩擦接合を利用した伝統木造建築物の応急補強に関する基礎的研究(その3) 軸組架構を対象とした静的載荷試験

摘要

本報では、提案補強構法を施した軸組架構を対象にして静的載荷試験を行い、以下の知見を得た。1. 正負交番載荷試験より、微小変形時では荷重が小さく、　大変形時では、耐震ブレースが機能し、10kN付近までは　剛性が低下しないことを把握した。2. 一方向載荷試験より、10kN付近で挟み込み金物が滑り出　し、既存架構に一定以上の負荷がかからないことを把握　した。　今後、接合部の力学性状の定量的な評価及びボルト軸力とワイヤーロープの初期張力の影響の把握などについて実験的に検討を行う予定である。