高圧噴射撹拌式の地盤改良による既存杭の補修・補強に関する研究（その1）補修・補強方法と実験の概要

摘要

大地震時既存建物直下の杭に損傷が生じた場合，掘削して直接的に杭を補修する方法が考えられる。一方，損傷していない既存杭の耐震性が足りない場合の補強は，増杭により基礎全体の耐震性を向上させる方法が考えられる。しかし，杭周辺地盤を掘削しての調査や工事が長期間・高額なものとなっており，より簡便で経済的な補修・補強方法が求められている。そこで、筆者らは前述の補修・補強方法に変わる方法として，高圧噴射式の地盤改良技術を用いた補修・補強方法の研究を行っている。既研究では，2016 年熊本地震により杭頭部に損傷受けた低層RC 造共同住宅を対象として，原位置で当該技術により補修・補強した杭(PHC 杭)の鉛直載荷試験を行い，その鉛直支持特性を把握した。