溶融めっき鋼板外観に与えるCGLワイピング影響

摘要

CGL（Continuous hot-dip Galvanizing Line）では，ワイピングノズルのガス噴流によって溶融亜鉛が飛散（スプラッシュ）する。このスプラッシュと呼ばれる溶融亜鉛の異物がワイピングノズルに付着した場合，亜鉛めっき鋼板の表面に線状マークと呼ばれる長手方向の筋模様が発生する。本報では，ワイピングシミュレーターによるラボ実験や，数値流体解析を用いて，線状マークの発生条件の明確化や，定量化を行った。まずラボ実験により，ワイピングノズルの先端や上部への異物の付着は表面品質にあまり影響を与えないが，スリットギャップの詰まりは線状マーク発生に重大な影響を与えることが分かった。次に，スリットギャップの詰まりによって発生する線状マークは，数値流体解析とワイピング理論を用いることで定量化できることを明らかにした。