令和元年東日本台風における下久保ダムの防災操作について

摘要

令和元年東日本台風（「令和元年台風第19号」）は，資源機構が管理する下久保ダムの流域に猛烈な豪雨をもたらし，ダムを管理開始して以降最大の降水量と流入量を記録した。下久保ダムの防災操作により，下流河川の水位低下の効果等発揮するとともに，上流域からの多くの流木もダムによつて捕捉され下流への流出が抑制された。台風が上陸する前の10月11日の時点で，異常洪水時防災操作（いわゆる「緊急放流」）が想定されたが，事前放流及び800 m~3/sの一定量放流といつた特別防災操作，並びに降水量が予測より減少したため，異常洪水時防災操作を回避することができた。その際，異常洪水時防災操作の可能性について，開始予定11時間前に関係機関へ情報を発信した。