近世城下町町人地の都巿設計（江戸編)

摘要

よく知られていることであるが、我が国の主要都市、特に県庁所在地の多くは、近世城下町の都市構造を基盤として発展してきた。東京と大阪もその例外ではなく、近世城下町江戸そして大坂をその起源にもつ。山城と呼ばれ、山地部に立地した中世の城に対し、近世城郭は、平山城もしくは平城と呼ばれ、平野部に立地し、なおかつ水辺（河川、海、湖）に築かれることが多かった。これは、近世城下町が軍事拠点としてだけではなく、経済活動の場としての役割を担っていたことと関係が深い。