NEXCO西日本の技術者育成への取組み: 高速道路事業へ対応するための技術者育成

摘要

我が国では少子高齢化が進行していく中で、労働力確保や生産性の向上を図ることは、建設業界の全体的な課題となっている。NEXCO西日本の4車線化、特定更新における床版取替、特殊橋梁の耐震補強工事等を含めた事業は、「量」•「質」ともこれまで経験したことのない規模で展開されている。これに加え、NEXCO西日本管内では、集中降雨によるのり面崩壊や土石流等の災害が毎年のように発生している。令和元年8月には、九州北部で発生した集中豪雨により、高速道路の複数ののり面で災害が発生した。長崎自動車道の武雄ジャンクション付近では、土塊の移動により路面が最大1m程度隆起する大規模な変状が発生し一時通行止めとなった(写真——1)。また、令和2年7月には九州を中心に長期間の降雨が続き、高速道路の広範囲にわたりのり面災害が発生した。最近の災害は、広域かつ長期間に及ぶものが多く、会社として防災対応力を一層強化していくことが重要となっている。