首都直下地震への防災・減災対策

摘要

東日本大震災は，巨大地震や大津波，さらに原子力発電所の事故も重なった未曾有の複合災害であった。震源から遠く離れた首都圏においても，大量の帰宅困難者の発生といった直接的な被害に加えて，計画停電の実施，物流ネットワークの寸断などにより，都民生活や事業活動に深刻な影響をもたらした。以降，さまざまな巨大地震の発生確率が話題となり，首都直下地震発生の切迫性や危険性が社会全体で注目され，これまでの防災対策を根本から，しかも早急に見直すことが求められている。