支圧と摩擦を組み合わせる: 支圧抵抗力と摩擦抵抗力を組み合わせた補強土壁（FILL WALL工法）

摘要

国土が狭く，急峻な地形が多い我が国での道路建設や宅地造成などでは，切土や盛土が必要となることが多い。近年，現地発生土の有効利用および周辺環境の維持や土地の有効利用のため，低コストで耐震性に優れた信頼性の高い土構造物を構築できる補強土壁が普及している。補強土壁は盛土内に土以外の補強材を敷設し，土と補強材との相互作用により盛土全体の安定を保って鉛直や急勾配の壁面を構築するものであり，補強材や壁面材の材質や形状の異なるものが開発されている。本稿では，一組の補強材に支圧抵抗と摩擦抵抗を組み合わせた盛土補強土壁工法であるFILL WALL工法(フィルウォール工法)を紹介するのとともに，新工法である地山補強土の上部に盛土補強土壁を組み合わせたCAB WALL工法(キャブウォール工法)についても述べる。