宮古島における農業用水開発の歴史

摘要

宮古島は沖繩本島から南西方向に約300kmに位置する平坦な島である。宮古島市の人口は約5万4千人，宮古島本島の面積は159km2,平均気温23.1°Cの亜熱帯気候に属し，宮古ブルーと呼ばれる美しい海とサンゴ礁に囲まれる白い砂浜が特徴的な常夏の島である。宮古島の美しい海を求めて，国内外から多くの観光客が訪れる人気の観光地であるが,宮古島は，世界初の大規模地下ダムが建設されたという側面も持っている。地下ダム建設前の宮古島の農業は，島の面積の半分を占める耕地全域が天水のみに依存する「水なし農業」又は「雨乞い農業」と呼ばれる営農形態であった。