「B-DASHプロジェクト 固定床型アナモックスプロセスによる高効率窒素除去技術導入ガイドライン」の策定について

摘要

生活環境の改善や公共用水域の水質保全のため不可欠なインフラとして重要な役割を担っている下水道ですが、下水汚泥の持つ高いエネルギー源としての価値が近年注目されるようになりました。東日本大震災以降、エネルギーの逼迫が続いており、再生可能エネルギーへの転換が強く求められていることから、下水道事業においても、下水を処理する従来の一過性のシステムから、省エネのみならず積極的にエネルギーを創出する(創エネ)ことで将来の資源枯渴への対応や地球温暖化防止に貢献するシステムとして転換する試みが取り組まれています。しかしながら、創エネ技術の1つである嫌気性消化プロセスでは、プロセスから発生する高濃度の窒素を含む返流水が水処理施設の流入窒素負荷量を増大させるため対策が必要となります。その対策として返流水個別処理が有効ですが、処理に多大なエネルギーコストがかかること、大きな反応槽が必要なことなどが技術の普及を難しくしている課題の1つとなっています。