第7回最終処分技術 廃棄物管理と最終処分技術(その7)

摘要

平成26年度の我が国の一般廃棄物の海面処分場は26か所（その他，大阪湾広域臨海環境整備センター等民間14か所）存在している。これは全施設数1,698か所に対して1.5%であるが,埋立容量比では27.2%を占めている。これより施設数は少ないが処分容量の確保面から海面埋立への依存度の高さがうかがえる。海面処分場は我が国独特の処分方法である。海外にも海域に処分場を建設した事例はあるが，海面を浚渫土砂で埋立し，いったん陸地を造ったのちに上部に処分場を建設する方法が一般的である。海面に廃棄物を直接投棄する埋立方式は我が国の他は我が国と同様に焼却残渣を埋立処分するシンガボールの海面処分場セマカウ埋立地の事例が見られる程度である。我が国は焼却が普及する前から海面に処分場を建設している。内陸の処分場と同様に，埋立時期により埋立廃棄物も異なり，浸出水（余水）の水質や水質安定化の状況も異なる。