高級アメリカンファミリークルーザーのエントリーモデル

摘要

ボートと聞いて誰もが思い浮かべるカタチ。米国の老舗ビルダー『ティアラ(TIARA)』の代表モデル『3100オープン』は、そんなわかりやすい魅力にあふれたボートだ。五大湖のひとつ、ミシガン湖のほとりに位置するホランドに本拠を構えるティアラは、1955年に前身である『スリック·クラフト(Slick Craft)』が誕生。創業者レオン·スリッカーズは、名門ボートビルダー『クリス·クラフト(Chris Craft)』で伝統的なマホガニー製ランナバウトの建造を学び、27歳にして自らの会社を立ち上げ、初めての作品となるモデルを世に送り出した。1960年代、スリック·クラフトは全米でよく知られたボートビルダーとなったが、1969年にスリッカーズは自社をボウリング機械メーカーの『AMF』に売却(同年にAMFはハーレーダビッドソンも買収。その後一時はアメリカ最大の娯楽関連企業となった)。その傘下で社長を続けるが、大企業の息苦しさに辟易した彼は4年後に退社。翌1974年に、AMFとの競業避止条項に反しないセーリングヨットの分野で、新会社『S2 Yachts』を立ち上げる。そして瞬く間にヨットレース界で実績を挙げたスリッカーズは、S2 Yachtsの設立から2年後の1976年、ふたたびパワーボートの製造を開始すベく、満を持して、高級モータークルーザービルダーであるティアラを立ち上げたのだ。