FM同期放送におけるAES完全同期コンポジット信号の検証と、1PPS同期トーンバースト信号での遅延測定実験について

摘要

今回の実験により、1PPS信号によるパイロット位相同期方式（独立同期方式）において、AESデジタル音声に完全同期したコンポジット信号が生成されることで非同期方式と比較し、ステレオ音声のレベル変動が軽減され、遅延差6μs以下、干渉D/U比6dB以上において、評価4となる結果を得ることができた。今後、従属同期方式においても同様な結果が得られるよう、検証していく予定である。同期放送の実現にむけては平成26年初旬より、㈱NHKアイテック、日本通信機㈱殿と共同で研究開発をし、平成27年7月に「KRY山口FM(92.3MHz 1kW)」が1号機として開局する運びとなった。今後も周波数有効利用と、聴取者の利便性を考慮し、さらなる同期放送の高品質化にトライすることで、ラジオ聴取環境の向上に努めていきたい。末筆となりましたが、本システムの構築にあたりご尽力いただいた㈱NHKアイテック、日本通信機㈱殿に深く感謝致します。