「道路工事完成図等作成要領」運用と「SXF Ver.3.0」対応

摘要

新しい公共事業執行の仕組みとして、国土交通省は04年度までにその全直轄事業へのCALS/EC（公共事業支援統合情報システム）導入を完成。引き続き10年度を目標年度に、対象をわが国のすべての地方公共団体にまで広げようという全体目標に向けた具体化作業が進められつつある。これまでのプロセスを通じて、多様かつ膨大な電子データが流通する基盤は整備されてきた。とはいえ、例えば、従来の電子納品では単に図面データの電子的なやり取りに留まっていた。それが8月下旬、国交省は同省直轄の道路工事向けに「道路工事完成図等作成要領」の本運用を開始した。そこでは当面の運用対象を、道路工事竣工時の完成図書データの中でも「完成平面図」および「工事施設帳票」に設定。以降、それらについて維持管理段階での利活用を視野に、必要な属性情報を付加したデータ形式による納品が求められることになった。その際、とくに完成平面図については属性情報を持つ道路基盤データへ変換することを踏まえ、図形情報に任意の属性情報を付与できる「SXF Ver.3.0」に基づく作成仕様が定められた。つまり、同要領で求められる仕様の納品データをいかにエラーなく作成できるかは、そのプロセスを支援するCADソフトの成否に懸かる部分が大きいと言える。そのため、そうした対応CADが普及するまでの暫定的な措置として、同要領では「SXF Ver.2.0」に準拠したSXF（P21）形式での代用も可能とされている。